北海道スープカレー紀行その2

03 10月
結局行く事になった北海道出発の当日。

防寒装備はもちろんの事、靴も雪用のスニーカーを装備して準備は万全。

空港に入りチェックインを済ませ、ジュースを飲みながら搭乗口で待っていると、

ガラスの向こうに、自分の命を預けることになる大きな鉄の塊が燃料と荷物を詰めやる気満々でいます。

自分は恥ずかしながら高所恐怖症なのです・・・。

乗客が次々と乗り込んでいくなか、笑顔で「いってらしゃいませ~」と言う空港スタッフのお気楽な口調が、

不安でいっぱいの気持ちに違和感を感じます。せめて「大丈夫よ!」と目を潤ませながら手でも握ってほしいものです。

強烈なGと揺れに耐え続けタラップを降りればそこは広大な大地の北海道。

北海道!寒っ!!雪がいっぱいじゃん!!女性がめちゃ美人じゃん!!さっきまでの恐怖心は何処へやら、

これからのスープカレーとの熱い戦いに向けて気も引き締まります。

気持ちも切り替わったとこでの、オーナーの一言が、「今夜は三軒回ろうと思ってるから」

三軒?!普通無理ですよね?!北海道の牛じゃないんだから!胃袋三つはご用意してませんよ!

「三軒ですか?!!」 「うん、で明日の昼に1軒行って、空港でラーメン食べて帰ろう!」

ラーメンって?!それは今回のおなかの許容範囲の予定には含まれていませんが?・・・。

移動中のタクシーの窓越しに見えた牧場の牛達の胃袋の仕組みを想像しながら、一軒目へと向かいました。

美形揃いのスタッフに迎えられた一軒目、厨房のデッカイ寸胴にはお目当ての本場スープカレーが。

納車の時の様な期待感で待ってると・・。来ましたモクモクと暖かそうな湯気を出しながら。

一口飲んでみると・・・・。    美味い!!お取り寄せとは違ってお店で食べるのはやっぱり美味しい!

そこからは自分の五感を研ぎ澄ませながら、無言の分析でした。

食べ終わると・・。間髪いれずにオーナーの一言・・・・・。

「じゃ、次の店行こうか!」  ・・・・・・・・・・。普通ですね、スープカレーって一皿食べたらお腹いっぱいに

なるものなんですよ・・・・。 それを続けて食べるという事がどれほど辛いか!

まあ従わないわけには行かず、暖まった身体を冷たい雪と風に包まれ、北海道でスープカレーの人気の高さの理由を

肌で感じながら、少し心地よくトボトボと後を着いて行きました・・・・・・・。

そして、2軒目からの壮絶なるスープカレーと胃袋の戦いを乗り越え、ホテルに戻り分析結果を忘れない内にメモし、

最上階にあるちょっとお高いラウンジバー(もちろん美形揃い)で、マス目状に統一された札幌の夜景を見下ろしながら、

今回のスープカレーへの挑戦についての心境をオーナーに打ち明けました。

プレッシャーや不安や意気込み、オーナーは何も言わずに聞いてくれました。

「必ず作ってみせます!」

一夜明け朝、目が覚めると・・・・・・。  部屋中カレーの匂いじゃん!!外は大雪で真っ白じゃん!!

飛行機は飛ばないって言ってんじゃん!!                    (続く)

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